ストレンジな人びと

               作家 清野かほり

連載第21回

婚活パーティー


 「婚活パーティー」に参加してきた。この『ストレンジ〜』のオチが毎度毎度、《46歳独身》であることに、うんざりし始めた読者もいるかも知れないと思ったからだ。

「いいかげん、自分でなんとかしなさいよ」という声なき声が響いてきた。ある友人が婚活をしているというので、私もその話に乗ったのだ。

 男性も女性もおしゃれな格好をしての、立食パーティーなどを想像していたが違った。駅から会場まで30分ウォーキングし、そこで陶芸体験をしながら交流するという企画だった。男性は40代・50代限定らしい。

 集合場所を見渡すと、男性の年代が限定されているだけあって、集まった女性たちも私と同年代だ。男女合わせて21名。男性は12名いらっしゃる。

 引率してくれたのは20代の女の子。メンバーの中で、彼女がいちばん若い。

 お姉さんは小さな紙切れを全員に手渡した。[プロフィールカード]だ。自分の名前、年齢、血液型、お住まい、出身地、職業、勤務地、メールアドレスを書き込む欄がある。

「みなさん、たくさんお話してくださーい。そして、いい人がいらっしゃったら、積極的に連絡先を交換してくださいね〜」

 中年の男女が20歳も年下のお姉さんに恋愛を勧められるとは、なんとも面白い状況だった。

「お名前をお呼びしますので、順番に男女2列になって、ウォーキングして行きましょう。途中でお相手を交代していきまーす」

 お姉さんが先頭に立ち、中年の一行がぞろぞろと歩道を歩き出した。車道を車が通り過ぎ、通行人が私たちを振り返る。この光景を周りはどう見るのだろう。なんだか幼稚園の遠足みたいに見えやしないか。全員、幼稚園児の10倍は歳を取っているけれど。

 陶芸会場に着くまでのあいだ、男性側が一人ずつズレて、何人かと会話をしながら歩いた。

「どちらからお越しですか?」「どんなお仕事をされているんですか?」「お休みの日は何をされていますか?」「どんな人がタイプですか?」「趣味は野菜作りですか。ステキですね〜」

 会話はほとんどが、こんな感じだ。やっぱりお見合いっぽい、というか、結婚相手を探している者同士の会話なのだ。

 同じような質問をされると、私は「好きなタイプとかは特にありません」とか「休みの日は、あまり出かけません。引きこもりです」などと答えていた。こういうところでは「趣味はお料理です」とか「誠実な人が好きです」などと答えておくのが正解なのかも知れないが、ウソはつけない。ウソをつくと眉間のあたりが痒くなる。

 粘土から茶碗を形作る作業は楽しかった。だが男性陣との会話もしながらなので、結局どちらも集中できずに終わってしまった。会話も作品作りも中途半端だ。

 年齢限定なぶんバツイチが多かった気がするが、集った男性たちは真面目そうな人ばかりだった、約1名を除いて。

 その除いた1名が唯一、私に連絡先を訊いてくれた人だった。「それほど真面目でない」私に、自分と同じ空気を感じ取ったということか。

 なるほど。人間同士というものは、そういうふうに、できている。