不思議な再会

4月21日(火)

夕刻、知人と銀座の〈gindachi〉で打ち合わせ。

ティファニーの裏手にある小体なイタリアン・ダイニングなのだが、16時から19時の間はハッピー・アワーでドリンク類がすべて300円とまことにリーズナブルなのだ。

俺はハートランドの生を頼んで、2杯目はスパークリングを。


この後、社団法人日本アート評価保存協会が主催する(月1回)講演会に赴く。

会場は7丁目の銀座メディカルビル(旧ぎょうせいビル)の5階フロア。

本日は、江戸文化研究者にして現在法政大学総長(学長じゃないんですね)の田中優子門下の小林ふみ子教授がスピーカー。

テーマは「江戸人は日本をどう見てきたか」

配布されたチラシから要点を説明すれば以下のような内容だ。

〈中国に憧憬と劣等感を抱き、朝鮮をライバル視、琉球からは尊敬されている(と思っている)。海を隔てて、さらに「女人国」やら「小人国」にも囲まれた、武張ったサムライの国だけれど、いろいろな意味でやわらかい、ニッポン——荒唐無稽のようでいながら、今日の私たちの思考様式とも無縁ではない、さまざまな問題が浮かびあがってきました。

当時出版された絵図や文芸を交えて、その研究成果のさわりをご紹介します。〉

当時の出版事情やら、どのように情報が広まり共有されていたかなど、「さわり」であってもなかなか刺激的であった。これで、聴講料500円とは安いね。ただ、質疑応答の時間を設けていただければなお良かったかな。


終了後は同道者と近くの小料理屋「龍(たつ)」へ。

昨年のオープンから毎月メールで案内はいただいていたのだが、初めて訪れる。と、予約してあった席に座ろうとしたら、隣から声をかける女性が。何と5、6年ぶりに再会する宮井さんであった。以前、彼女が某出版社に所属していたころに知り合ったのだが、聞けばいまはNHKエデュケーショナルに勤務しいているという。


なんとまあ、といった不思議と美味しい福井の料理を肴にぬる燗のすすむこと。福井の酒はあまり縁がなかったが、楽しく夜が更けていくのであった。