ストレンジな人びと × 清野かほり【略歴】
第1回「絶対エロ感」 (2014.9.22)
友人たちと鍋を囲んだあとにデザートが出てきた。レアチーズに自家製のプルーン煮を添えるという。
砂糖で煮込まれた、その丸ごとプルーンがシワシワだった。・・・<続きを読む>
第2回「産婦人科の先生」 (2014.9.29)
変な症状があったので産婦人科に行った。
診察室に入って丸椅子に座ると、先生はカルテに視線を落としていた。・・・<続きを読む>
第3回「フルーティー男子」 (2014.10.6)
朝、駅に向かう都バスに乗っていた。途中から乗って来た20代半ばくらいの男子が、私の左隣に座った。
彼は全身黒ずくめのファッションだ。・・・<続きを読む>
第4回「飴チャン爺ちゃん」 (2014.10.14)
コンビニで商品を物色していたら、70歳を過ぎたくらいのご老人に話かけられた。
背中が少し丸まっていて、私よりも背が小さい。グレーのハンチング・・・<続きを読む>
第5回「 ストレン児」(2014.10.20)
幼稚園が嫌いだった。
意味の分からない規則や強制が多かったからだ。・・・<続きを読む>
第6回「暗黒の緑ちゃん」 (2014.10.27)
ニコニコ生放送というのを知っているだろうか。
ウェブカメラを使い、インターネットを介して生放送をする。・・・<続きを読む>
第7回「オシャマすぎガール」 (2014.11.4)
ミュージシャンが来て生演奏を聴かせてくれるというので、あるレストランに友人と行った。
東京は小雨だったが、そういう日に限って台風が北上していた。・・・<続きを読む>
第8回「ケータイ3台の男」 (2014.11.10)
今は2014年。平成にしたら26年である。
バブルがパチッといってから、すでに20数年が経っている。・・・<続きを読む>
第9回「ステキなゲイのひと」 (2014.11.17)
その人は会社の先輩だった。彼はいつもニコニコしている。声を上げてよく笑う。そして会話もファッションも、おしゃれ。一度、彼に会ったら男女関係なく・・・<続きを読む>
第10回「銭湯女湯」 (2014.11.25)
寒くなると、ときどき近所の銭湯に行く。スパでもスーパー銭湯でもない昔ながらの銭湯。ここに集結するのは、主にご高齢のみなさんだ。・・・<続きを読む>
第11回「下駄の同級生」 (2014.12.1)
高校時代から、彼は下駄を履いて登校していた。黒い学生服、裸足に下駄。それもヘビ柄の鼻緒の下駄だ。もちろん教師のみなさんから注意を受ける。・・・<続きを読む>
第12回「東電の人びと」 (2014.12.8)
福島で原発事故があった。そこは私の地元だ。東京電力による記者会見がネット中継されるようになってから、連日、モニターに食い入るようにして観ていた。・・・<続きを読む>
第13回「新聞記者たち」 (2014.12.16)
社会のヒエラルキーというものは、悔しいけれどある。同じ業種、同じ職種のなかにも、もちろんある。・・・<続きを読む>
第14回「本店前のおまわりさん」 (2014.12.22)
東京電力本店の門前には(本社と呼ばないところに、どんな意図があるのかは知らないが)、警備員だけでなく警察官が立ち、警備をしている。・・・<続きを読む>
第15回「男は子供」問題 (2015.1.5)
読者のみなさん、あけましておめでとうございます。今年もぜひ、生あたたかい目線で読んでやってください。
さて、本題である。私には、ここ数ヵ月来の疑問があった。それは『なぜ男は油断するとチンチンを触ってしまうのか』だ。・・・<続きを読む>
第16回「注意力欠陥者」 (2015.1.12)
[注意欠陥多動性障害/ADHD]という言葉を知ったのは十数年前だ。自分がその種の人間に属すると知ったのも、ほぼ同時だった。・・・<続きを読む>
第17回「褒められたい?日本人」 (2015.1.19)
最近、テレビを点けると、ちょっと複雑な気分になる。[外国人が日本のいいところを褒める]という番組が異様に多いと感じるのだ。・・・<続きを読む>
第18回「人生パラライス」 (2015.1.26)
20代の頃に勤めていた、広告制作会社の社長が面白い人だった。当時60歳くらいの関西出身のおじさんだったが、その人は頭が柔らかく、あちこちに発想が向く。・・・<続きを読む>
第19回「暗がりのエコー室」 (2015.2.2)
区の健康診断で、心電図の結果に異常があった。私は医大で心臓のエコー検査を受けることになった。
隔離室のような分厚く重い扉を開けた。・・・<続きを読む>
第20回「スマホ民族」 (2015.2.9)
最近、ICTの進化について行けない。
パソコンのOSはどんどん新しくなるし、SNSなんかもどんどん増える。気がつくと周りはみんなスマホを使っている。・・・<続きを読む>
第21回「婚活パーティー」 (2015.2.16)
「婚活パーティー」に参加してきた。この『ストレンジ〜』のオチが毎度毎度、《46歳独身》であることに、うんざりし始めた読者もいるかも知れないと思ったからだ。・・・<続きを読む>
第22回「アダルトな彼女」 (2015.2.23)
なぜそんな特異な物をプレゼントするに至ったか、その経緯は承知していない。とにかく会社の先輩が彼女と一緒にオーストラリアへ移住するというので・・・<続きを読む>
第23回「薬剤師クイズ大会」 (2015.3.2)
去年の夏、クーラーが壊れて室温が34℃を記録した。暑さには強いつもりだったが、歳には勝てずに倒れそうになった。・・・<続きを読む>
第24回「政治家パーティー」 (2015.3.9)
友人に誘われ、ある国会議員のパーティーに行った。閣僚経験もある女性議員の後援会が主催だ。『○○○○さんを励ます会』という名称が付いている。・・・<続きを読む>
第25回「幸せの秘訣」 (2015.3.16)
ある会社の立食パーティーに招待された。そこに集まったのは仕事の関係者だったが、医師、建築家、絵本作家など、世間から「先生」と呼ばれる人たちが多かった。・・・<続きを読む>
第26回「バレンタイン変事」 (2015.3.23)
その日、仕事の打ち合わせに出かけた。乗り換えの新宿駅で、特殊な光景に出会した。その瞬間まで私は、ホワイトデーだということをすっかり忘れていた。・・・<続きを読む>
第27回「山手線の人びと」 (2015.3.30)
東京の中心を丸く走る山手線には、ローカル線や地下鉄が何十本も繫がっている。山手線はそれだけ、いろんな人が乗り合わせる電車だ。・・・<続きを読む>
第28回「『中瀬ゆかり』という人」 (2015.4.6)
その人は「新潮社 出版部部長」という厳つい肩書きを持っている。番組での肩書きらしいニックネームが「中瀬親方」だ。・・・<続きを読む>
第29回「ギャン泣きギャング」 (2015.4.13)
コンビニへ行く道すがら、父・母・娘の親子とすれ違った。小学3、4年生の髪の長い女の子が泣き喚いていた。ギャンギャン泣きながら何か言っているので、その言い分はまったく聞き取れない。彼女は歩きながら頭をのけ反らせ、大きく口を開けてギャンギャン言っている。・・・<続きを読む>
第30回「作家たちのオーラ」 (2015.4.20)
最初にお断りしておく。これから数々の大御所・著名作家が登場するが、〈敬称略〉で明記させていただく。大作家の先輩方、どうかお許しくださいませ。・・・<続きを読む>
第31回「恋する文芸編集者」 (2015.4.27)
人を好きになる、という感情にも何種類かある。本能的に惹かれる場合もあれば、理で惹かれる場合もある。自分に似ているから好きにもなれば、自分にない部分があるから惹かれもする。・・・<続きを読む>
第32回「チャリンコ泥棒」 (2015.5.11)
黄色のママチャリを所有していた。黒い柄こそ入っていないが、スマートなイエローボディとその俊足から、私はチーター号とネーミングしていた。・・・<続きを読む>
第33回「サラリーマン安倍晋三」 (2015.5.18)
乗車駅でちょっと見ただけのときから、どこかで見た顔だ、と思った。電車が到着し、その男性が私の真正面の座席に座った。・・・<続きを読む>
第34回「夜の絶叫マダム」 (2015.5.25)
[この世の果て]とか[天国のなかの極楽]などという場所があるとしたら、その人が行っているところは、きっとそこだろう、と思う。・・・<続きを読む>
第35回「最強の人たらし」 (2015.6.1)
「たらす」と言うと、ほとんどの場合、悪い意味に捉えるだろう。だが私がここで言う「人たらし」とは悪い意味ではない。褒め言葉である。・・・<続きを読む>
第36回「74歳のロードスター」 (2015.6.8)
突き抜けるような青空。深緑に萌える山の道をくねるように走るワインレッドのスポーツカー。ロードスターだ。・・・<続きを読む>
第37回「愛すべき人びと」 (2015.6.15)
ほとんど私は男女の区別をしていない。いきなりプリンに例えると、プリン本体が人間性で、茶色いカラメルの部分が男か女かを分けるもの。それくらいの感覚だ。・・・<続きを読む>
第38回「身近な教祖さま」 (2015.6.22)
同じこのホームページで有名な宗教学の先生が書いていらっしゃるので、もしかしたら叱られてしまうかもしれない。
実は私の身近なところに「教祖さま」と呼びたくなる女性が存在する。・・・<続きを読む>
第39回(最終回)「ありがとう」の人 (2015.6.29)
これまで数十人の〈ストレンジな人〉を書いてきた。だが本当は、私は何も分かっていない。何がストレンジで、何がストレンジでないのか。・・・<続きを読む>